2025.12.04
セミナーの司会進行に欠かせない台本テンプレートと司会のポイント
セミナーを成功させるためには、「資料づくり」や「話し方」だけでなく、司会進行の台本準備も同じくらい大切です。司会台本は、当日の流れを整理し、講師や参加者が安心してセミナーに集中できるようにする“進行の設計図”のような存在です。
とはいえ、「どんな構成で台本を作ればいいのか」「開会挨拶や講師紹介はどこまで書くべきか」など、作り方に迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、セミナーや講演会・研修会などで活用できる司会進行台本のテンプレート例文を紹介します。あわせて、司会者に求められる役割や、プロの司会者に依頼するメリットについても解説しますので、企業セミナーやオンラインイベントの担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
セミナー司会者に求められる役割

司会台本を作る前に、まずは司会者に求められる役割を理解しておきましょう。
役割を把握しておくことで、台本に盛り込むべきポイントや進行の意図が明確になります。
セミナー全体の進行・タイムマネジメント
司会者のもっとも基本的な役割は、セミナー全体の進行・タイムマネジメントです。
各セッションの冒頭では、講師や登壇者のプロフィールを簡潔に紹介し、参加者がテーマへスムーズに入り込める空気をつくります。そして、セッションの締めくくりには、発表の要点を短く整理して伝えることで、受講者の理解を確実に深めます。
また、複数人が登壇するセミナーでは、講演が予定より長引くこともあります。その場合は、司会者が柔軟にスケジュールを調整する必要があります。たとえば、次のような対応を行うとよいでしょう。
- 休憩時間を短縮して全体の遅れを調整する
- 質疑応答の時間を短縮してスムーズに進行する
- 次の登壇者へ変更内容を簡潔に伝える
こうした臨機応変な判断ができる司会者がいると、セミナー全体が滞りなく進み、参加者の満足度やイベント全体の印象も大きく向上します。
ファシリテーション・質疑応答の誘導
司会者は単なる進行役だけではなく、セミナーの質を高めるファシリテーターとしての役割を担うこともあります。
ファシリテーター
中立的な立場から議論を促し、参加者の理解・合意形成を支援する人。
たとえば質疑応答の場面では、参加者が質問しやすい雰囲気をつくることが重要です。質問が出にくいときは、司会者が参加者の立場を代弁して質問を投げかけるのも一つの方法です。
また、不明瞭な質問があった場合には、司会者が内容を整理して登壇者に伝えることで、回答がより的確になり、全体の理解も深まります。こうした細やかなファシリテーションが、セミナーをよりスムーズで有意義な時間に導くポイントです。
トラブル発生時の対応・場のコントロール
入念に準備をしていても、セミナー当日に予期せぬトラブルが発生することがあります。機材トラブルや登壇者の接続不良、資料の投影ミスなど、原因はさまざまです。こうした場面で落ち着いて状況を把握し、場の空気をコントロールすることも司会者の重要な役割です。
トラブルが発生した際には、参加者に簡潔な状況説明を行い、復旧までの時間をつなぐ工夫が求められます。登壇者や運営スタッフと連携しながら、参加者が不安を感じないように声のトーンや言葉選びにも配慮しましょう。臨機応変な判断ができる司会者であれば、トラブルの影響を最小限に抑え、セミナー全体をスムーズに進行できます。
セミナーの司会で意識すべき3つのポイント
ここまで紹介した役割をふまえると、セミナー司会者が意識すべきポイントとしては、次の3つが挙げられます。
- メリハリをつけて話す
- タイムスケジュールの進行を柔軟に調整する
- 会場やオンラインの雰囲気をコントロールする
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.メリハリをつけて話す
司会者の話し方によって、セミナー全体の印象は大きく変わります。
冗長な話し方では参加者の集中力が切れてしまうため、声のトーン・スピード・間のとり方などを意識して、リズムのある進行を心がけましょう。
オンラインセミナーでは、映像越しに伝わる情報が限られるため、抑揚のついた話し方が効果的です。声に表情を持たせることで、参加者が内容に引き込まれやすくなります。
話すテンポが速くなりがちな場合は、一文ごとに短く区切って話すと聞き取りやすくなり、司会としての印象も安定します。
2.タイムスケジュールの進行を柔軟に調整する
セミナーを円滑に進行させるには、タイムスケジュールに沿ってプログラムを適宜調整する柔軟性が求められます。
先述のとおり、講演時間が予定より長引いた場合には、休憩時間や質疑応答の時間を短縮して対応します。ただし、質疑応答を短くしすぎると参加者の疑問が解消できないおそれもあるため、質問の数や内容を見ながらバランスよく判断することが大切です。
反対に、予定より早く講演が終わるケースもあります。その際は、セミナー全体の満足度を高めるために、質疑応答や講師との対話の時間を少し延長するのも効果的です。ただし、質問が少ない場合に無理に時間を引き延ばすと間延びしてしまうため、司会者が補足的な質問やテーマに沿った話題を投げかけるなど、自然な形で時間をコントロールしましょう。
このように、時間調整と参加者満足度の両立を意識することで、セミナー全体をよりスムーズに進められます。
3.会場やオンラインの雰囲気をコントロールする
セミナーが成功するかどうかは、登壇者の発表内容だけでなく、会場全体の雰囲気や参加者との一体感にも左右されます。司会者はその空気をつくり、維持する重要な役割を担います。
対面セミナー(リアル会場)であれば、開始前や休憩時間に軽いアイスブレイクを入れることで、緊張感を和らげ、参加者が質問しやすい雰囲気をつくれます。
一方、ウェビナー(オンラインセミナー)の場合は、参加者の表情や反応が見えにくいため、チャット機能やリアクション機能を活用して参加を促すことが大切です。たとえば、「ぜひチャットでご感想をお寄せください」など、声かけを積極的に行うことで、画面越しでも一体感を生み出せます。
会場・オンラインを問わず、司会者が場の雰囲気を的確にコントロールできれば、参加者の集中力や満足度が大きく向上します。
セミナー司会の台本テンプレート例文

ここまで紹介した点をふまえ、セミナー司会者が最低限用意しておくべき台本のテンプレートをいくつか紹介します。
あくまで一例のため、開催形式やプログラム構成にあわせて内容を調整しながら活用してください。
開会・閉会の挨拶
開会の挨拶
| リアル会場 | 定刻となりましたので、ただいまより○○セミナー(タイトル)を開催いたします。 本日は○○セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。 司会を務めさせていただきます○○と申します。 どうぞよろしくお願いいたします。 本日のセミナーは、○○時(終了時刻)までを予定しております。 途中、△回の休憩をはさみますので、ご承知おきください。 それでは、本日のプログラムについてご説明いたします。 |
| オンライン | 定刻となりましたので、ただいまより○○セミナー(タイトル)を開催いたします。 本日は○○セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。 司会を務めさせていただきます○○と申します。 どうぞよろしくお願いいたします。 セミナー開始に先立ち、音声と画面が正常に表示されているか、確認させていただきます。 正常に表示されている場合は、チャット機能で「問題なし」とお知らせいただけますでしょうか。 (チャットを確認) ありがとうございます。 それでは、本日のプログラムについてご説明いたします。 |
開会時は、落ち着いたトーンで話し始め、参加者が安心して聞ける空気をつくることが大切です。時間や進行の概要を簡潔に伝えると、全体への信頼感が生まれます。
閉会の挨拶
| リアル会場 | 以上をもちまして、○○セミナー(タイトル)を終了いたします。 長時間にわたり、誠にありがとうございました。 本日のセミナーが、皆様にとって実り多いものになれば幸いです。 お帰りの際は、お忘れ物のないようご注意ください。 出口付近にアンケート回収ボックスを設置しておりますので、ぜひご協力をお願いいたします。 本日は誠にありがとうございました。 お気をつけてお帰りください。 |
| オンライン | 以上をもちまして、○○セミナー(タイトル)を終了いたします。 長時間にわたり、誠にありがとうございました。 本日のセミナーが、皆様にとって実り多いものになれば幸いです。 アンケート用のURLをチャット欄に送信いたしておりますので、ぜひご協力をお願いいたします。 本日は誠にありがとうございました。 |
最後は、感謝の言葉をしっかりと伝え、落ち着いたトーンで締めくくりましょう。参加者が「よい時間だった」と感じられるよう、余韻を残す話し方を意識するのがポイントです。
オンラインでは、参加者の退出タイミングを見計らい、やや落ち着いたペースで締めの言葉を伝え、最後に感謝を添えると丁寧な印象になります。
セミナーの説明
セミナーの説明については、リアル会場・オンラインで大きな違いはありません。
| 本日のセミナーは、○つのセッションで構成されております。 まずは、「セッション1」についてお話しいただきます。続いて○時から○時10分まで休憩をはさみ、後半は「セッション2」について解説いたします。 |
全体構成を伝える際は、話すスピードをややゆっくりにして、聞き手が内容を整理しやすいように意識しましょう。スライドやプログラム資料とあわせて説明すると、より理解が深まります。
オンラインでは、音声だけでは流れが伝わりにくいため、「このあと画面を共有して進めます」「スライドにも構成を表示しています」など、一言添えると参加者が安心して視聴できます。
講師紹介・登壇時のアナウンス
講師紹介についても、会場・オンラインで大きな違いはありません。
講師の肩書・実績を端的に伝えることがポイントです。
| それでは、本日の講師をご紹介いたします。 ○○株式会社の、△△様です。 △△様は、☆☆分野で○年以上のご経験をお持ちで、これまでに(具体的な実績や著書など)を手がけ、○○に関する豊富な知識と実績をお持ちです。 |
登壇時のアナウンスは、セミナー開催方法によって次のように使い分けてみてください。
| リアル会場 | 皆さま、盛大な拍手でお迎えください。 |
| オンライン | 皆さま、よろしければリアクションボタンや拍手の絵文字でお迎えください。 |
講師の紹介は“プロフィールの朗読”にならないよう、参加者が講演内容に興味を持てるような切り口でまとめましょう。肩書や経歴は必要な部分に絞り、声のトーンで敬意を伝えることが大切です。
オンラインでは拍手が伝わりにくいため、リアクション機能やコメントで歓迎ムードを演出すると効果的です。紹介後に「△△様、どうぞよろしくお願いいたします」と一言添えることで、画面越しでも自然なつなぎになります。
注意事項・参加者へのご案内
セミナーによっては、注意事項や案内をアナウンスすることもあるでしょう。
いくつかテンプレート例文を紹介します。
| リアル会場 | セミナー開始前に、いくつかご案内とお願いがございます。 まず、携帯電話をお持ちの方は、マナーモードに設定していただくか、電源をお切りくださいますようお願いいたします。 お手洗いは会場を出て右手にございます。 セミナー中でもご自由にご利用いただいて構いませんが、他の参加者の迷惑にならないよう、できるだけ休憩時間をご利用ください。 |
| オンライン | セミナー開始前に、いくつかご案内とお願いがございます。 まず、皆様のマイクは、こちらでミュートに設定しております。 ご質問の際は、チャット機能をご利用ください。 講演後に質疑応答の時間を設けておりますが、講演途中に随時質問をお寄せいただいても構いません。 通信環境によっては、音声や映像が途切れる場合がございます。 その際は、一度退出して再入室していただくか、ブラウザを再読み込みしてみてください。それでも改善しない場合は、チャットでお知らせください。 また、本セミナー資料の著作権は、○○株式会社に帰属します。 画面のスクリーンショットや録画はご遠慮いただきますようお願いいたします。 |
案内や注意事項は、できるだけ簡潔に、聞き手が理解しやすい順序で伝えましょう。案内内容が複数ある場合は「まず」「次に」「最後に」と区切るとわかりやすくなります。
オンラインでは、通信トラブルや操作方法など、参加者が不安に感じやすい項目を先に伝えると安心感が生まれます。チャットでサポート対応があることも最初に伝えておくと、スムーズな進行につながります
質疑応答の進行
質疑応答のテンプレートについて、いくつかシチュエーション別の例を見ていきましょう。
質問開始時以外の内容は、リアル会場・オンラインで大きな違いはありません
| リアル会場 | 【質疑応答開始時】 それでは、ただいまより質疑応答の時間に移ります。 ご質問のある方は、挙手をお願いいたします。 スタッフがマイクをお持ちいたしますので、お名前をお伝えいただいた後、ご質問をお願いいたします。それでは、ご質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。 【質問がない場合】 それでは、私から一つ質問させていただきます。 セミナーでご紹介いただいた○○について、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。 【質疑応答を終了する前振り】 お時間が残りわずかとなりましたので、最後にもう一つだけご質問を受け付けます。 【質疑応答の終了時】 ありがとうございました。 時間となりましたので、質疑応答はここまでとさせていただきます。 ○○様、貴重なお話をありがとうございました。 もう一度、盛大な拍手をお願いいたします。 |
| オンライン | 【質疑応答開始時】 それでは、ただいまより質疑応答の時間に移ります。 ご質問のある方は、チャット欄にご入力ください。 すでにいくつかご質問をいただいておりますので、順番にお答えしていきます。 |
参加者が質問しやすい雰囲気づくりを意識し、質問がない場合にも司会者が自然にフォローできるようにしておきましょう。質問の要約や言い換えを行うと、登壇者・参加者双方にとって理解が深まります。
チャットで質問が出にくい場合は、「気軽にコメント欄にご記入ください」と声をかけると反応が増えます。質問を読み上げる際は、文を整えてテンポよく伝えることで、スムーズな進行につながります。
休憩時間・再開時の案内
セミナー中の休憩時間や再開時のアナウンスは、参加者が安心して休憩を取れるように案内し、再開時にはスムーズに集中を戻せるような声かけを心がけましょう。
| リアル会場 | 【休憩開始時】 それでは、ここで○分間の休憩をとらせていただきます。 ○○時から後半のセッションを開始いたしますので、それまでにお席にお戻りください。 お手洗いは会場を出て右手にございます。 また、お電話などはロビーをご利用ください。 なお、休憩中も会場内での写真撮影や録音はご遠慮いただきますようお願いいたします。 それでは、○○時に再開いたします。 【休憩終了時】 まもなく後半のセッションを開始いたします。 お早めにお席へお戻りいただきますよう、お願いいたします。 それでは、皆様お揃いのようですので、後半のセッションを始めてまいります。 |
| オンライン | 【休憩開始時】 それでは、ここで○分間の休憩をとらせていただきます。 ○○時から後半のセッションを開始いたしますので、それまでにお席にお戻りください。 休憩中も接続は継続しておりますので、このままお待ちください。 画面から離れる際は、ブラウザやアプリを閉じないようご注意ください。 それでは、○○時に再開いたします。 【休憩終了時】 皆様、お戻りでしょうか。 まもなく後半のセッションを開始いたします。 音声は聞こえていますでしょうか。 問題があれば、チャットでお知らせください。 (確認) それでは、定刻となりましたので、後半のセッションを始めてまいります。 |
まずは再開時刻を明確にし、そのうえで開始・終了時刻を2回繰り返すと聞き漏れが減り、進行が安定します。再開時は、落ち着いた声で“セミナーの流れに戻す”意識を持ちましょう。
休憩中に接続を切る参加者もいるため、「再接続の方法」や「音声確認のタイミング」を台本に入れておくと安心です。再開時には「チャットで反応をお願いします」など、軽い声かけを添えると一体感が戻ります。
トラブル発生時のアナウンス
臨機応変に対応するためにも、あらかじめトラブルを想定し、アナウンス内容を考えておきましょう。
| リアル会場 | 【機材トラブル】 申し訳ございません。 ただいま「機材名(スクリーンなど)」に不具合が発生しております。 復旧作業を行っておりますので、少々お待ちください。 【復旧に時間がかかる場合】 復旧に少しお時間をいただいております。 せっかくの機会ですので、この時間を利用して、質疑応答を受け付けさせていただきます。 ここまでのセミナー内容で、ご質問のある方はいらっしゃるでしょうか。 【講師の遅延・欠席】 セッション1の講師○○様が、~~のため、到着が○分ほど遅れる見込みです。 プログラムの順序を変更し、先にセッション2を実施させていただきます。 ご了承ください。 |
| オンライン | 【音声・映像トラブル】 申し訳ございません。 現在、音声(または映像)に不具合が発生しております。 こちらで設定を調整いたしますので、少々お待ちください。 【調整後】 皆様の画面では、現在正常に表示されていますでしょうか。 問題がある場合は、チャットで「音声が聞こえない」「画面が見えない」などとお知らせください。 |
想定外の事態でも、慌てず落ち着いたトーンで伝えることが大切です。参加者に“対応中である”ことを明確にし、復旧の見込みを簡潔に案内すると安心感が生まれます。
通信トラブル時は、沈黙が続かないよう「調整中です。少々お待ちください」と定期的に声を入れると好印象です。状況をテロップやスライドで表示できる場合は、視覚的に知らせるのも効果的です。
セミナーの司会をプロに任せるメリット

ここまでの内容を読み、「自分で司会を務めるのは少し難しいかもしれない」と感じた方もいるのではないでしょうか。そのような場合は、プロの司会者をキャスティングすることを検討してみてください。
とくに次のような点に魅力を感じる方は、プロへの依頼がおすすめです。
- 登壇者・運営担当者がセミナー資料の準備に集中できる
- セミナー全体の印象・信頼性が向上する
- 想定外のトラブルにも柔軟に対応できる
司会をプロに任せるメリットについて、詳しく見ていきましょう。
登壇者・運営担当者がセミナー資料の準備に集中できる
企業がマーケティング目的でセミナーを開催する場合、登壇者自身が司会を兼任するケースも少なくありません。しかし、進行台本と発表資料の両方を自分で用意するのは、大きな負担になります。
また、運営担当者が別にいる場合でも、会場の手配・配信機材の準備・参加者管理など、多くの業務を並行して進めなければなりません。これらに加えて司会の準備まで行うのは、時間的にも心理的にも余裕がないことが多いです。
一方で、プロの司会者を起用すれば、基本情報を共有するだけで挨拶文や進行の組み立てを任せられます。登壇者は自分の発表内容に集中でき、運営担当者は運営全体の品質向上に専念できます。結果としてセミナー全体のクオリティを高めやすいことは、大きなメリットといえるでしょう。
セミナー全体の印象・信頼性が向上する
声の出し方、間のとり方、表情や姿勢のつくり方などの司会者に求められるスキルは、やはりプロと一般の司会者では大きな差があります。プロの司会者は、聴衆の反応を見ながら話のテンポやトーンを柔軟に調整し、セミナー全体に一貫した安心感とリズムをもたらします。
こうした高い進行スキルは、「このセミナーはしっかり運営されている」という信頼感にもつながります。企業のブランドイメージを損なわず、発表内容をより魅力的に引き立てる効果も期待できるでしょう。
とくにオンラインセミナーでは、声のトーンや話すリズムが画面越しの印象を大きく左右しますが、経験豊富な司会者なら映像・音声を通じても温かみのある雰囲気を保ち、企業イベントとしての完成度を高められます。
このように、プロの司会者を起用することで、セミナー全体が引き締まり、印象・信頼性・ブランド価値のすべてを向上させることが可能です。
想定外のトラブルにも柔軟に対応できる
セミナー当日には予期せぬトラブルが発生する可能性を常に考慮しておく必要があります。
しかし、自社の担当者が司会を兼任している場合、突発的なトラブルが起きると、どうしても動揺しやすく、冷静な判断が難しくなりがちです。
一方、経験豊富なプロの司会者であれば、機材トラブルや登壇者の遅延、通信不良といった想定外の状況にも落ち着いて対応できます。
たとえば、音声や映像に不具合が生じた際も、柔らかい口調で状況を説明しながら場をつなぎ、参加者が不安を感じないように導きます。リアル会場では臨機応変なアナウンスで空気を保ち、オンライン開催では沈黙をつくらず、軽い声かけや説明で安心感を与えるなど、プロならではの“場を整える力”が発揮されます。
こうした対応力によって、セミナーの進行をスムーズに保ちながら、全体の雰囲気を崩さずに乗り切れるのが、プロ司会者を起用する大きなメリットです。
プロの司会者・MCを選ぶ3つのポイント
プロの司会者・MCを起用する場合は、次の3つの観点から依頼先を決めてみてください。
- セミナーや業界テーマとの親和性があるか
- 企業・団体向けの司会経験や実績が豊富か
- 打ち合わせ・リハーサル対応が丁寧か
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
1.セミナーや業界テーマとの親和性があるか
司会者の雰囲気や話し方は、セミナー全体の印象を大きく左右します。まずは、セミナーの目的や業界テーマに対して親和性があるかどうかを確認しましょう。
たとえば、BtoB企業が新規顧客獲得を目的に開催するセミナーであれば、信頼感を重視した落ち着いたトーンの司会者が適しています。一方、BtoC企業が既存顧客向けに開催するセミナーでは、明るく親しみやすい雰囲気の司会者を選ぶことで、参加者がリラックスしやすくなります。
また、IT・医療・製造などの専門性が高い業界では、業界用語や業務内容をある程度理解している司会者を選ぶことが重要です。専門用語を自然に扱える司会者なら、登壇者とのやり取りもスムーズで、聞き手にとっても理解しやすい進行が実現します。
オンラインセミナーの場合も同様で、テーマにあわせて“画面越しでも伝わる声の表情”を持つ司会者を選ぶと効果的です。配信特有の間やトラブルにも柔軟に対応できるため、安心感のある進行が期待できます。
2.企業・団体向けの司会経験や実績が豊富か
プロの司会者といっても、その活動分野は多岐にわたります。
エンタメ性の強いイベントや式典の司会を得意とする人もいれば、フォーマルな会見・表彰式・ビジネスセミナーなどを中心に活動している人もいます。それぞれに求められるスキルや話し方のトーンが異なるため、自社セミナーの目的や参加者層に合った経験を持つ司会者を選ぶことが重要です。
企業が主催するセミナーの場合は、企業・団体向けイベントでの経験や実績が豊富な司会者を選ぶと安心です。過去に同規模・同業種のセミナーを担当した経験がある司会者であれば、社内外の参加者を意識した進行バランスを理解しており、ビジネスイベント特有のフォーマルさを自然に保てます。
オンライン開催が主流となる現在では、カメラ映りやマイク越しの声のトーンなど、配信特有の演出にも慣れているかどうかも選定のポイントです。気になる司会者を見つけたら、これまでの登壇実績やサンプル映像を確認し、セミナーの雰囲気に合うかをチェックしてみましょう。
3.打ち合わせ・リハーサル対応が丁寧か
司会者によって、打ち合わせやリハーサルへの関わり方には大きな差があります。中には、当日の進行だけを担当し、準備段階にはほとんど関与しない“指示待ちタイプ”の司会者もいます。一方で、進行台本の段階から積極的に提案や調整を行い、登壇者や運営担当者と一緒に全体の流れをつくっていく司会者もいます。
セミナーの完成度を高めたい場合は、打ち合わせ・リハーサル対応が丁寧な司会者を選ぶことが重要です。事前の確認やリハーサルを通じて登壇者との呼吸をあわせられれば、本番中のトラブル対応もスムーズになり、進行全体の安心感が大きく向上します。
また、オンラインセミナーではとくに、配信ツールの操作や音声チェック、画面共有のタイミングなど、事前の技術確認が結果に直結します。この段階を丁寧にサポートしてくれる司会者は、当日の運営負担を大幅に軽減してくれるでしょう。
なお、司会者によっては、リハーサルを別料金とするケースもあるので、打ち合わせやリハーサルが料金に含まれているかどうかも依頼前に確認しておきましょう。
セミナーの司会者はボイスマートで依頼できる!
出典:ボイスマート
プロの司会者を手配するといっても、どこで探したらいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。そのような場合、ぜひキャスティングサービスの「ボイスマート」をご活用ください。
ボイスマートは、次のような特徴を備えており、企業セミナーやオンラインイベントの司会者を探す際に最適なサービスです。
- 実績豊富なフリー司会者が多数在籍
- リーズナブルな料金体系
- サンプルボイスが充実
- 企業セミナー・オンラインイベントにも対応
それぞれの特徴について、詳しく紹介します。
実績豊富なフリー司会者が多数在籍
ボイスマートには、厳正な審査を通過した経験豊富なフリー司会者が多数登録されています。
登録司会者は、ビジネスセミナーから企業説明会、オンライン配信イベントまで幅広い現場で実績を持っており、目的やトーンにあわせた最適な人材を見つけることが可能です。
また、専任のコンシェルジュに希望条件を伝えると、セミナーのテーマや雰囲気にマッチする司会者を複数名ピックアップしてもらえます。ゼロから司会者を探す手間が省け、信頼できる人材を効率よく選定できるのが大きな魅力です。
オンライン開催の場合でも、音声・映像対応に慣れた司会者を紹介してもらえるため、配信品質を維持しながら安心して依頼できます。
リーズナブルな料金体系
司会者のキャスティング費用は、拘束時間・セミナー内容・司会者の知名度・リハーサルの有無などによって変動します。一般的な企業セミナーの場合、リハーサルを含めて 1回あたり5万円〜10万円程度が相場とされています。
ボイスマートでは、司会者によって料金は異なりますが、拘束3時間で約4万円〜、1日対応で7万円〜程度が目安となっており、業界相場と比較しても非常にリーズナブルです。
また、必要に応じて台本作成や打ち合わせ対応などのオプションも追加可能なため、セミナーの規模や目的にあわせて柔軟にプランを組むことができます。コストを抑えつつ、安心して依頼できるプロ司会者を探したい方にとって、ボイスマートは非常におすすめです。
サンプルボイスが充実
実績が豊富な司会者でも、依頼前に「声のトーンや話し方の雰囲気を確かめたい」という方は多いでしょう。
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声の印象や話すテンポは、参加者の集中度や満足度を大きく左右します。そのため、サンプルボイスから話し方や声の表情を確認し、司会者の雰囲気や進行スタイルをイメージしておくと安心です。
企業セミナー・オンラインイベントにも対応
ボイスマートに在籍する司会者は、企業セミナーやオンラインイベント全般に対応できる点が大きな特徴です。これまでにも、以下のような多様なジャンルで活躍している司会者が多数在籍し、専門性が高い内容でも、スムーズな進行をサポートします。
- 株式・不動産投資セミナー
- ウェビナー・オンラインセミナー
- ビジネススキルセミナー
- IT・デジタルスキルセミナー
- キャリアデザイン・転職セミナー
また、リアル会場とオンライン配信を組みあわせたハイブリッド型セミナーにも対応しており、登壇者や参加者が異なる環境から参加する場合でも安心して任せられます。運営形式を問わず、質の高い進行を実現できるのが、ボイスマートの大きな強みです。
まとめ
セミナーの成功を左右するのは、講演内容だけではありません。司会のクオリティや進行のスムーズさも、参加者の満足度や企業の印象を大きく左右します。どれほど内容の充実した講演であっても、司会が不安定だと全体の印象が損なわれてしまうため、事前にしっかりと準備を整えておくことが大切です。
本記事で紹介したテンプレート例文をもとに、事前に台本を作成しておけば、本番で慌てることなく安心して進行できます。また、登壇者自身や運営担当者が司会を兼ねることも可能ですが、セミナー全体の完成度や信頼性を高めたい場合は、プロの司会者を起用するのがおすすめです。
ボイスマートでは、司会者の手配はもちろん、進行台本の作成やリハーサル対応までトータルでサポートしています。
企業セミナーやオンラインイベントの成功を目指す方は、ぜひ一度ご相談ください。







